金融庁の企業会計審議会(企画調整部会)が1月28日に開催され,そこで「我が国における国際会計基準の取扱いについて」の中間報告(案)がとりまとめられました。

企業会計審議会第15回企画調整部会議事次第:金融庁

その中に「IFRS適用に向けた課題」という項目があります。
左記のエントリーで「国際会計基準の選択適用に向けての課題」というのを書きましたが,当局の考え方について,ここでご紹介しておきます。

IFRS適用に向けた課題

(1)IFRSの内容
IFRSが日本の商慣行,企業の実態を適切に反映できるものであり,投資家に対して適切な財務報告を届けられるものとなっているかどうかを検証し,そうなるように働きかけていく必要がある

(2)IFRSを適用する場合の言語
日本語に適切に翻訳されたものがIFRS(日本語翻訳版)として広く認知される必要がある

(3)IFRSの設定におけるデュー・プロセスの確保
会計基準が「公正妥当な会計慣行」としての規範力を持つに足りる,基準設定主体としてIASCF(国際会計基準委員会財団)の適切なガバナンス体制の確保が必要である

(4)IFRSに対する実務の対応,教育・訓練
とくに作成者については,IFRSがいわゆる「プリンシプル・ベース」の基準であるため,IFRS自体を十分に理解した上で,自社に適合的な会計処理及び財務報告の諸手続を定め,基盤整備をする必要がある。

(5)IFRSの設定やガバナンスへの日本の関与の強化
IFRSの設定やIASCFにおけるガバナンスに対する日本のプレゼンス(存在感)を高める必要がある。

(6)XBRLのIFRSへの対応
IFRSに適合的なEDINET向けのタクソノミ(XBRLデータ形式)の開発が必要である。

上記のような課題はあるにしても,連結財務諸表におけるIFRS導入(アドプション)は趨勢のようです。
その上で中間報告(案)は,将来的にIFRS適用に向けて動くとしても,コンバージェンスの必要性をただちに否定するものではなく,コンバージェンスの過程を通して,実務的にもIFRSを受け容れる土壌を整えていく必要があるし,またIFRSを導入したからといって,日本独自の会計基準が不要になるものでもない,と締めくくっています。