IFRS(国際財務報告基準)と日本基準の差異のうち,売上計上基準に係るものについて見ていきます。
以下,日本基準についての記述はピンク色,IFRSについての記述は青色としています。
0.退職給付引当金の算定方法
退職給付引当金=年金債務−年金資産の評価額+勤務費用+利息費用-期待運用収益±未認識の過去勤務費用±未認識の保険数理差損益±未認識の会計基準変更時差異
1.年金債務の評価方法(IAS19)
日本基準もIFRSも「発生給付評価方式」を採っています。
発生給付評価方式というのは,年金債務を従業員の勤務に対する報酬と考え,当期までの勤務によって発生したと認められるもの(の現在価値)をその時点の債務として認識する方法です。
2.年金債務の割引率
年金債務は現在価値で測定しますので,その割引率(現価率)が問題になります。
日本基準では,おおむね5年以内の安全性の高い長期の債券の利回り(リスクフリーレート)を参考にします。
IFRSでは,貸借対照表日における優良社債の市中利回りを参考にしますが,実質的に日本基準と変わるものではないと言えます。
3.年金資産の評価額
日本基準もIFRSも貸借対照表日における公正評価額によって評価します。
4.過去勤務費用の償却方法
日本基準では平均残存勤務期間以内で毎期均等償却します。過去勤務費用の発生時に一括償却することもできます。
IFRSでは,
(1)受給権が確定していない従業員に係る部分は受給権が確定するまでの平均期間で定額償却します。
(2)受給権が確定している従業員に係る部分は即時償却する必要があります。
5.保険数理計算上の差異の認識方法
日本基準では平均残存勤務期間以内で毎期均等償却します。保険数理差異の発生時に一括償却することもできます。
IFRSでは,
・年金債務と年金資産のいずれか大きい方の10%以内に収まる差異は償却しないことができます。これを回廊アプローチ(Corridor Approach)といいます。
・上記の範囲を超過した部分は,平均残存勤務期間で均等償却します。
退職給付会計の考え方
そのむかし,退職給付会計が導入された当時にクライアントに説明するために作った資料があったので,貼ってみました。






